く“強制力”がないの

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く“強制力”がないの

 い。
 ただバイトをして、友人たちと遊ぶ日々。
 ちょっとした事件で警察につかまってしまい、数日前に頭に埋め込まれた人工知能AIが今も何か言っているが特に気にしない。
 いちいち相手にしていたらこっちが参ってしまうというのは先日身をもって体験させられた。
 さすがAIだ。
 常に公序良俗に基づSuisse Reborn 好用き、“すばらしい”行動をさせようとしてくる。
 落ち着き払った機械の声は、ピリッとしてしかし穏やかな女性の声で、不思議と人を安心させる力すら持っているように思えた。
 が、こんな日々の中であれこれ言われてもそれは苛立ちしか覚えない。
 なんと言ってもまず初めに言われた言葉がコレだった。
『定職に就きましょう』
 思わず唖然としたのもほんの数日前のこと。
 こいつとこれから付き合っていかなくてはいけないのかと思うとまさに頭痛がした。
「頭に埋め込まれているのだからこいつも痛がればいいのに」
 そんなどうでもいい思考ばかりが働く。
 そんな独り言にもしっかりと反応するAI。
「私は“生活指導型人工知能チップ、HTS[3103]”。人体の脳に埋め込まれていますが、それは埋め込まれるというよりも安利傳銷張り付いていると考えてもらうと分かりやすいでしょう。余分な痛覚などは伝わらないように出来てますから」
 淡々と答えるAI。
 しかしこのAIには一つだけ欠陥があった。
 いや、そこを狙って作ったのかもしれない。
 何のことはない、このAIにはまっただ。
 ただ俺に指示を与えてくるだけ。それに従う必要などない。
 何か言っても言わせておけばいいのだ。
 ただ、俺でもわかる。
 こいつの言っていることは常に正しい。
 常識的に見て、倫理的に考えて、効率という観点から顧みて、明らかにこいつは常に最善の選択を言っている。
 いや他にきっと真の最善があるにちがいない。
 こんな機械の考えることでは計り知れない最善が、人間様だからこ
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