ネドラを見た

「じゃ、いまのところにいることにするか」
「それがいいと思うね」
「セ・ネドラのことがちょっとは心配じゃないのか? あの狼ならふた噛みで彼女を食っち

まうぜ」
「だいじょうぶさ。そんなことはしない。セ・ネドラがぼくの配偶者だってことは知ってい


「ちょっとここへきてくださらない? 狼が少し鳴いているのよ。どうしたのか聞こうにも

聞きかたがわからないの」
「すぐ戻るよ」ガリオンはザカーズに言って、クレティエンヌの馬首をめぐらし、荷馬車の

ほうへ引き返した。
 セ・ネドラは子狼を膝に抱いて荷馬車にすわっていた。その小さな動物はセ・ネドラがふ

わふわしたおなかをかいてやっているあいだ、四本の脚を宙につきだしてうれしそうにあお

むけになっていた。
 雌狼はセ・ネドラのわきの座席にねそべっていた。耳がぴくぴく動き、うらめしげな目つ

きをしている。
「苦しいのか?」ガリNeo skin lab 美容オンはたずねた。
「このあなたの奥さんは、いつもこんなにおしゃべりなの?」雌狼はなげいた。
 嘘をつくのは不可能だったし、返事をはぐらかすのも問題外だった。「そうだ」ガリオン

は認めた。
「だまらせてもらえる?」
「やってみよう」ガリオンはセ・。「狼はすごく疲れているんだよ。眠りたが

ってるんだ」
「わたし、邪魔なんかしてないわ」
「ずっと話しかけてただろう」ガリオンはやんわりと指摘した。
「彼女と仲良しになろうとしてただけよ、ガリオン」
「きみたちはもう友だちだよ。彼女日本旅行團はきみに好意を持っている。もう眠らせてやってくれ」
 セ・ネドラはぷっとふくれた。「だまってるわ」ちょっと傷つけられたように言った。「

かわりにこの子に話しかけることにするわ」
「かれも疲れてるんだ」
「昼間なのにどうして二匹ともそんなに疲れてるの?」
「狼というのはたいてい夜に獲物を捜すんだ。昼間眠るのが普通なんだよ」
「まあ、知らなかった。わかったわ、ガリオン。二匹が眠っているあいだは静かにしてるっ

て、彼女に言ってよ」
「友だち」ガリオンは雌狼に言った。「きみが目をつぶったら話しかけないと約束してるよ

culturelle 香港
 狼はけげんそうな顔をした。
「そうすればきみが眠ってると思うからね」
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